真のアスリートたちに拍手 [スポーツ]

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いやあ、アメリカは強かった。さすが、世界ランキング1位の国です。試合内容から見ると、アメリカが日本を圧倒していたことは誰もが認めるところでしょう。開始直後からアメリカがいいリズムの中で試合を運び、一方、日本はボールを持つとすぐに囲まれ、パスもカットされ続け、まったく勝てる気がしませんでした。

そんななか、ボールがゴールネットに突き刺さるアメリカの強烈な1点目、そして延長戦に入り、アメリカとしては完璧なシナリオになるはずだったワンバックの勝ち越しゴール、そのいずれにも粘りで点を奪いとったなでしこジャパンは鳥肌ものでした。特に、延長後半が終わろうとする時間帯には、嫌な結果をどう受け止めるか頭を整理しだしさえしました。初めてファイナルに残ったとはいえ勝者への道にはまだ神は試練を与えるはず、などと(苦笑)。そんなにわかファンの余計な憂慮を尻目に(?!)、徐々に自分たちのペースを作っていき、決戦をものにした選手たちは、冷静な判断と行動ができていたようです。信じる力が足りなかった自分を恥じいるばかりです(汗)。

PK戦でボロボロになってしまったアメリカに関しては、ちょっと気の毒でした。あそこまで有利に試合を運んでいて、2度までも追いつかれる悪夢。佐々木監督が試合後におっしゃったように、アメリカの方がPK戦ではプレッシャーがあったのでしょう。

それでも、アメリカの選手たちは、強かっただけでなく、偉大でした。

"Japan is a team that I’ve always had a lot of respect for, and I truly believe that something bigger was pulling for this team. As much as I’ve always wanted this, if there was any other team I could give this to it would have to be Japan. I’m happy for them and they do deserve it."

http://www.ussoccer.com/News/Womens-National-Team/2011/07/US-Women-Speak-after-Penalty-Shootout-Loss-to-Japan-in-Womens-World-Cup-Final.aspx

 

大会ベスト・ゴールキーパーのトロフィー授与のときの非常に厳しい表情が印象的だったソロ選手の言葉です。

日本がもっとも恐れていたワンバック選手は、他のアメリカ選手がまだ茫然自失の状態から立ち戻れなかったときに、元の同僚澤選手をはじめとする日本選手を祝福していました。そのワンバック選手はこう言っています。

"We should be applauding Japan though. What a fantastic game Sawa had. She was magnificent, and she worked so hard she deserved it. This is very tough for us to take because we came so close, though I think that Japan have suffered so much and needed to win more than we did. I’d like to think that this win can bring a little hope and joy to the Japanese people."

http://www.fifa.com/womensworldcup/news/newsid=1476768/index.html

 

このような最高の舞台でこのような発言。彼女たちは、真の一流アスリートだと思います。

今回、大会の数試合しか観ていませんが、女子サッカーで印象的だったことがあります。試合後の互いの健闘を讃える姿です。男子サッカー以上に笑顔にあふれています。女性ならではと言っていいのか分かりませんが、とても好感の持てるものでした。

日本代表は、今大会、ファイナルを含めた毎試合後、"To Our Friends Around the World, Thank you for Your Support"というメッセージの書かれた横断幕を持って、ピッチを一周しました。震災後、世界各国でサッカーの試合前に日本に対する応援のメッセージが掲げられました。これまで、そのような行為が被災国にどれくらい力を与えるのかよく分からないでいましたが、いざ当事者になってみると、それは自分たちが孤独ではないと実感させてくれる、涙の出るほど嬉しいものでした。そういった気持ちに対する返礼を、自分たちの心を代弁するように日本代表がしてくれたことも、今回嬉しいことでした。そして同時に、この横断幕の言葉は、決勝にまで進んだことで、ドイツ人をはじめとする諸外国のサッカーファンがしてくれた日本戦応援に対する感謝の言葉にもなったように映りました。


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