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文学座『三人姉妹』──ベテランと若手と [映画・演劇]

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文学座の『三人姉妹』(演出 坂口芳貞)、紀伊國屋ホール、17日(金)夜公演と今日18日(土)昼公演、ダブルキャストの両方に続けて行ってきました。最近の『三人姉妹』では、昨年10月にあうるすぽっとで行われた華のん企画によるハイレヴェルの舞台(脚本・演出 山崎清介)が忘れられません。登場人物たちが、まるで「この世に存在していない」かのように人形と化して舞台周囲に常時勢揃いし、出番の時だけ舞台中央で生を受けるという演出。全員、全編出ずっぱりで、常に何らかの演技をしつづけ、想像を絶する疲労度だったのではないでしょうか。一方、今回の文学座のウリは「現代口語をベースにした新訳」。この宣伝文句に、観る前は期待外れも覚悟していたのですが・・・

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真のアスリートたちに拍手 [スポーツ]

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いやあ、アメリカは強かった。さすが、世界ランキング1位の国です。試合内容から見ると、アメリカが日本を圧倒していたことは誰もが認めるところでしょう。開始直後からアメリカがいいリズムの中で試合を運び、一方、日本はボールを持つとすぐに囲まれ、パスもカットされ続け、まったく勝てる気がしませんでした。

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自国が決勝戦に残る幸せ [スポーツ]

いよいよ、なでしこジャパンがアメリカとの決勝戦に挑みます。大会を締めくくる最後の大一番──決勝戦に自国が残る幸福感がこれほどのものとは、思ってもみませんでした。準決勝、スウェーデン戦が終わって、この数日間、決勝戦のことが片時も頭を離れず、その期待と興奮に酔わせてもらっています。日本にこんな日が来るとは、正直、驚きです。

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日本女子サッカーの新たな時代 [スポーツ]

暑さで眠りが浅くなる日が続きます。今日も早い時間に目を覚ましてしまい、時計を見ると、そろそろ女子ワールドカップの準々決勝、日本vsドイツの試合も佳境を迎えている頃。結局、日本勝利を最後まで見届けることとなりました。延長後半3分、ドイツサポーターの応援歌と手拍子が高まったその時、澤穂希選手のパスを受けて、丸山桂里奈選手がシュート。難しいところを決めたゴールで、本当に素晴らしかったです。日本のゴールがあまりに遠くに感じられていただけに、興奮のボルテージが一気に上がり、眠気もすっかり飛んでしまいました(苦笑)。

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 [雑感]

今のところ無事に生活をさせてもらっています。

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ザッケローニ氏の目の輝き [スポーツ]

アジアカップ・カタール2011。薄氷を踏むような思いで観戦した大会でした。特に、決勝トーナメントの緊張と興奮のくり返し! 退場者を出しての逆転劇となったカタール戦(もっとも興奮した試合でした)、延長後半終了間際に同点に追いつかれた韓国戦(追いつかれたときには韓国の底力に感服せざるを得ませんでした)、そして決勝戦では高さのあるオーストラリアにボールがなかなか支配できず、シュートチャンスもほとんどない状態で、テレビの前で応援しつつも、正直、点が入る気がしませんでした。

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煙が目にしみる [映画・演劇]

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恵比寿ガーデンシネマで観た映画でもっとも心に残っているのは「スモーク」です。その「スモーク」が、今日、恵比寿ガーデンシネマ最終日の最終回を飾る──もう一度、観ておきたい思いに駆られ、帰宅して"Life in a Day"ワールドプレミア上映を観るというこれまた魅力的な選択肢に惹かれつつも、結局、仕事帰りに行ってしまいました("Life in a Day"はサンダンス映画祭出品作品なので、いつかNHKで放送してくれるでしょう。きっと)。

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もしも『緋色の研究』が『アヒルと鴨のコインロッカー』だったら [文学]

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『アヒルと鴨のコインロッカー』の前に読んだ本は、珍しくこれまた推理小説でした。といっても、こちらは古典中の古典、シャーロック・ホームズ。その第一作目の『緋色の研究』です。『緋色の研究』はよく知られているように、二部構成になっていて、事件の前史を語る第二部がホームズの事件解明の話ではなくなる点がウィークポイントとして指摘されます。ドイルとしては、探偵小説というジャンルが確立されつつあった時代にあって、ジャンルを混淆させたような新たな小説を企図していたのかもしれませんが、やはり読者が物語の流れから取り残されてしまうことは否めません。

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恵比寿ガーデンシネマに涙、「アヒルと鴨のコインロッカー」に涙 [映画・演劇]

 

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今週で閉館となる恵比寿ガーデンシネマに行ってきました。「恵比寿ガーデンシネマ・ベストセレクション」と銘打たれ、16作品が上映されています。1994年の開館から17年、時代の波には逆らえないということなのでしょうか。観たのは最終回の「アヒルと鴨のコインロッカー」。ちょうどテレビ局の取材も行なわれていました。転居してから足がすっかり遠のいていて、本当に久しぶりのガーデンシネマでしたが、やっぱりいい感じの映画館です。今さらながらに、もっと来ておきたかったと思いました。最近では、昨年末の「ポーランド映画祭2010」に行きのがしたことが悔やまれます。ところで、今回は予告編なしに、直接本編が始まります。そのなんと心地のよいこと! シンプルに映画だけに集中できる感覚が、ありがたいです。

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『長短調(または眺め身近め)』──野心作の退屈 [映画・演劇]

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彼はそれで我が身を芸術にささげているつもりで、
それを鎧がわりにまとい人とうすくかかわっていった。
もちろん下心のある女性と二人きりの場合、
芸術家であるという設定を必要以上にアピールし、
心のベールや実際の服を脱がせようと
いやらしくせまった。
「トレープレフ(新しい戯言)」(歌詞:中野成樹 音楽:大谷能生)より

ラップによるチェーホフ『かもめ』。しかし、これは単なる音楽ライヴでも、音楽劇でもなく、劇中劇ならぬ、劇中ライヴで演奏される音楽、つまり、いわば劇の一モチーフです。『長短調(または眺め身近め)』という劇の中に「みずうみ」という名のラップユニット(あまりにベタなネーミングですが、それも狙いなのでしょう)が登場し、オリジナル作品として13曲を披露します。

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後退するチェーホフ──流山児版『櫻の園』 [映画・演劇]

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昨日は仕事は休みで、流山児★事務所の「櫻の園」千秋楽を観てきました。みなさん頑張って舞台を作っていたので書きにくいのですが、演出がどうしても納得のいくものではありませんでした。台本にも問題があるのかもしれません。役者さんたちのなかには、単に技量不足なだけではなく、どう演じるか最後までピントを合わせられないまま舞台に上ってしまっているような人が何人かいるように感じられました。

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CDショップの思い出(3)──TowerRecords [音楽]

渋谷のTowerRecordsは、元々は東急ハンズの近くに比較的小さな店舗でやっていて、そこで購入したのはロックのCDでした。確かクラシックは扱っていなかったと記憶しています。まだCDが登場したばかりの頃で、当時ロックの外盤の多くは、CDケースをさらに縦長のボール紙の箱や同じく縦長のプラケースの中に入れる形で店頭に並んでいました。横幅はCDケースとほぼ同じで、高さがLPサイズくらい。ボール紙の箱の場合、ジャケットの絵や写真がLPサイズのものがトリミングされる形になっていて、棄てがたく思えるほどでした。LPからCDへの過渡期だったので、店頭のLPサイズの棚に並べるためだったのでしょうが、防犯上のこともあったのかもしれません。

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CDショップの思い出(2)──HMV [音楽]

HMV渋谷がぼくにとって衝撃的だったのは、もちろん品揃えの豊富さもそうなのですが、店内の雰囲気や商品の扱いが、それまでの輸入CDショップにはないものだったからです。

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CDショップの思い出(1)──WAVE [音楽]

HMV渋谷の閉店。ウェブページはよく利用しているのに、昨日テレビのニュースで見るまで、知りませんでした。ちょうど20年前、1990年に国内1号店としてオープンしたとのことです。ここではよくCDを買ったので、思い出深いショップがまたひとつ姿を消すことになります。

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クリエーティヴな読書とは [本]

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やらなくてはならない仕事がたまり、しばらくブログ更新を休みました。その間に購入した本のことを書きます。『フラナリー・オコナー全短篇 下』(横山貞子訳・ちくま文庫)、ダンテ『神曲 天国篇』(平川祐弘訳・河出文庫)、アラン・ロブ=グリエ『快楽の館』(若林真訳・河出文庫)、鈴木道彦『プルースト『失われた時を求めて』を読む』(日本放送出版協会)、ピエール・バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』(大浦康介訳・筑摩書房)──以上、4冊です。それから、店頭で見かけて気になった本に、大平具彦『20世紀アヴァンギャルドと文明の転換』(人文書院)がありました。もう少し安かったら、迷うことなく買ったのですが・・・

さて、『プルースト『失われた時を求めて』を読む』は「NHKカルチャーラジオ・文学の世界」のテキストで、放送自体はすでに4月1週目から始まっています。著者で講師の鈴木さんは、ロラン・バルトの『テクストの快楽』を引き、「プルーストを愛読したバルトでさえ、最初は読み飛ばした」ようであることを指摘し、通読にこだわらない読み方を勧めています。『失われた時を求めて』については、『読んでいない本について堂々と語る方法』でも、やはりというか、想像通りというか登場しますが、こちらではさらにラディカルに書かれています。著者のバイヤールは、ポール・ヴァレリーのプルーストに捧げたエッセーを援用しつつ、プルーストの小説の本質は任意の一頁を読めば理解できるものであり、「読まないことはこの作家にたいする最大の賛辞ですらある」(!)と述べているのです。

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「黒猫」ウィーク──締めくくりの一枚? [美術]

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この1週間、「黒猫」の2つの新訳をめぐり、とりとめなく書いてきました。「黒猫」ウィークの締めくくり、というかオマケとして、先月行った「20世紀のはじまり ピカソとクレーの生きた時代」展で印象に残った一枚を紹介します。カンディンスキーとともに「青騎士」を結成したことで有名なフランツ・マルク(1880-1916)の《3匹の猫 Drei Katzen 》(1913)です(画像をクリックすると拡大されます)。

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「黒猫」2つの新訳(5)──“less terrible than barroques” [文学]

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今回、巽さんの「黒猫」新訳を読んでみて、気になった箇所を他の訳とあれこれ比べてみましたが、その中でもっとも引っかかったのは次の箇所です。 

わたしにとって、これらの出来事は恐怖以外のものではなかったが──多くの人間にとってはおそらくバロック的な怪奇趣味のほうがさらなる恐怖を呼び起こすようにも思われる。(9-10頁)

この巽訳を読んだとき、2つ気になることがありました。

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「黒猫」2つの新訳(4)──文の構造変換 [文学]

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もちろん、これは小川さんが原文の文体を考慮していないと言いたいわけではありません。一昨日の記事を書いているとき、ひとつ面白いことに気づきました。巽訳で「動力源」という訳語が登場する箇所なのですが、下に原文と5つの日本語訳を並べます。日本語訳は、発表年順になっています。佐々木訳1951年、丸谷訳1973年、河野訳1974年、小川訳2006年、巽訳2009年です。最後から2つ目の小川訳の文の構造に注目してください。

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「黒猫」2つの新訳 (3)──訳のスピード感 [文学]

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巽訳は原文になるべく忠実であろうとする訳に思えると書きましたが、逆に言えば、硬いというか直訳調になっていて読みにくい箇所もあります(例えば、「わたしは若くして結婚したが、妻のうちにもわたし自身と相容れないわけではない性格があるのがわかって、とてもうれしかった。 I married early, and was happy to find in my wife a disposition not uncongenial with my own. 」(11頁)など)。

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「黒猫」2つの新訳 (2)──「異種混淆の怪物」 [文学]

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こう書いていると「動力源(エンジン)」という訳語を批判しているように思われてしまいますが、必ずしもそうではありません。むしろ、この箇所に関して言うなら、ベストかどうかは別にして、これもありなのではないかと思います。訳者の意図は自分なりに分かりましたし、原文が透けて見えることで原文のニュアンスも伝わりました。そして何より、「動力源」は古語ではありませんが、現代語における語法との偏差を日本語の訳文から擬似的に感じさせてくれる面白さがありました。この箇所は、公的な支配・管理を意味させる「司る」という言葉が入ることで、なんとか成立していると思います。

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